スノーボードのカービングターン上達に特化したオフトレで効果が高いのは、ロングスケートボードでの滑走トレーニングです。
ロンスケならスノーボード滑走時の
- カービングターンの感覚がつかめる
- 荷重抜重のタイミングがうまくなる
- エッジに乗ったときの軸が作りやすくなる
といった効果があります。
また、スイッチスタンスでのトレーニングで
- フェイキーランが怖くなくなる
- 応用力がつく
ので、カービングマニアだけでなくフリースタイラーにも効果抜群。
\ 動画はこちらから全編再生できます /
今回はスノーボードの腕前だけでなくスケボーのライディングでも評価の高い藤沼到プロにロンスケのハウツーをお願いしました。
スノーボードの専門学校でのスケボー指導歴も長い藤沼プロ。
スタンスの作り方からフェイキーラン、連続ショートターンまでわかりやすく解説してくれています。
藤沼プロのYouTubeチャンネルと超連動でお送りします
藤沼到プロのインタビューはこちらをご覧ください。
藤沼到『みんな、ずっとスノーボーダーでいてほしい』スノマガインタビュー
今回使用しているのはYOROI SKATEBOARDのRYU II。
YOROI SKATEBOARDのRYU IIはスノーボードのオフトレに特化したロングスケートボードです。
カービングターンの練習に最適なしなりが特徴で、しっかりしたターンを作りながら楽しく滑ることができます。
YOROI SKATEBOARDとHEAVEN SKATEBOARDのロンスケ乗り比べはこちらの記事をご覧ください。
【乗ってみた】カービングのオフトレに最適なロンスケ!ヨロイスケートボードRYU II&JUJU
止まった状態で板に乗ってみる
まずは板に乗り慣れるため、止まった状態のままロンスケに乗ってみます。
スケートボードのデッキには前足、後ろ足の順で乗りましょう
しっかり体重を前足にかけてから後ろ足を載せます
降りるときは乗るときと逆、後ろ足、前足の順で降ります
降りるときも前足に体重を移動してから後ろ足を動かします
どちらが前足かわからない場合は軸足が前、利き足が後ろです。
軸足は体重を載せてからだを支える足、利き足は器用に動かすことができる足です。
前足・後ろ足はスノーボードのときと同じで大丈夫
スケートボードは足を置く位置によって安定感が変わります。
前過ぎ、後ろ過ぎはバランスが取りにくく、安定感が悪いはず。
正しいポジションに乗ることで安心して練習を繰り返すことができ、上達も早くなります。
上下動してバランスの取りやすいポジションを見つけましょう
スタンスの作り方
初めてロンスケにトライする場合は完全に止まったままスタンスを作る練習をしましょう。
下を見ないでバランスを取れるまで何度もトライしてください
デッキに乗る
ロンスケに乗るときは
前足のつま先を進行方向にまっすぐ向け、足をデッキの上に置きます
前足の角度に合わせて骨盤が前を向くため、両足を載せる前の体勢が安定します
しっかりと前足に体重を載せてから、後ろ足もデッキの上に載せます
後ろ足に体重が乗ったままだと不安定になるので、前足にしっかり乗ってから後ろ足を動かし始めます
体勢が安定したら前を向けていた前足のつま先を横に向け、スタンスを作ります
体重をスッと上に抜いて前足を動かすとうまくいくでしょう
- トン(前足のつま先を進行方向へ向けてデッキに載せる)
- トン(後ろ足をデッキに載せる・前足荷重)
- トン(前足を横に向ける・上に体重を抜く)
とリズム良くやるとスムーズです。
デッキから降りる
ロンスケのデッキから降りるときは、
前足のつま先を進行方向に対して真っ直ぐに向け直します
しっかり上に抜重してつま先の向きを変えます
前足に荷重して後ろ足を降ろします
体勢を安定させてから行いましょう
前足を降ろします
抜重して後ろ足に体重を移してから前足を降ろします
このときも荷重と抜重、足の動きをリズムよく行いましょう。
- トン(つま先を進行方向へ向ける・上に体重を抜く)
- トン(後ろを足を降ろす・前足荷重)
- トン(前足を降ろす)
プッシュ
スケートボードはフラットでは進まないので、足で地面を蹴って板を走らせる必要があります。
ここでは基本のプッシュについてしっかりと押さえておきます。
プッシュの基本
前足をロンスケのデッキに載せて後ろ足で地面を蹴って進みます
前足の甲の上にヒザと胸が乗ったままプッシュしましょう
繰り返し後ろ足で蹴り進めます
重心が前足側になることでデッキからからだが置いていかれることなく進むことができます
後ろ足に体重が残ったままだと前足とスケートボードがどんどん前に進んでしまいますので注意が必要です。
思い切って前足に荷重した上で後ろ足で蹴っていきましょう
蹴り方の注意点
スケートボードのプッシュでは地面を蹴る後ろ足は毎回前足よりも前に持ってくるように意識しましょう。
しっかりと進行方向に後ろ足を持ってくることで、からだがデッキから遅れてしまうことを防ぎます。
目線が近くなると重心の位置が悪くなります。
スノーボードと同様にしっかりと進行方向、遠くを見るようにしましょう
両足を載せる
からだが遅れることなくロンスケのデッキといっしょに進めるようになったら、
地面を蹴っていた後ろ足もデッキの上に載せてみましょう
あせらずしっかり前足に乗って行います
うまくデッキに乗れたらヒザ・足首・股関節を曲げ、低い姿勢を取ります
重心が高いままだとバランスをくずしやすくなります
一段低い姿勢を取ることで体勢が安定し、しっかりとまっすぐ滑ることができます。
両足をデッキに載せるときも目線は遠くにキープしましょう
大回りカービングターン
徐々にプッシュを強め、じょうずにまっすぐ進めるようになったらターンの練習に入りましょう。
ロンスケにはバインディングがついていない分、スノーボードよりも不安定に感じるかもしれません。
よりシビアなバランスでターンの練習をすることになるので、スノーボードでの技術が飛躍的に向上します。
トゥサイド
ロンスケでトゥサイドのカービングターンをするときは、ヒザを地面に近づけるようにして低くなりましょう。
プッシュから両足で乗ります
安定した姿勢を作りましょう
足首、股関節を曲げ、同時にヒザを地面に近づけるように曲げます。
トゥサイド側に傾けながらバランスをキープしましょう
不自然に頭が下がらないようにある程度胸を張るのがコツです。
腰が折れると重心がスケボーからはみ出てバランスをくずします。
このときも目線は常に進行方向へ送りましょう
ヒールサイド
ロンスケでヒールサイドのカービングに挑戦するときはトゥサイドのときよりも進行方向を見ることが難しく感じるかもしれません。
プッシュから両足で乗ります
安定した姿勢を作りましょう
つま先を引き上げるように足首を曲げながら、ヒザ、股関節を曲げます
ヒールサイド側に傾けながらバランスをキープします
肩越しに背中の方向へ目線を送ることで視界を確保してください。
また、胸と骨盤の動きが進行方向へ向かうように意識しながら前足のかかと付近に重心を落とし込みます。
しっかり低い姿勢をキープしてヒールエッジに乗り、カービングターンをしていきます。
バランスを取るには低い姿勢がポイントです
グラブターン
ロンスケで大回りのカービングターンがじょうずにできるようになったら、次はグラブカービングターンにも挑戦してみましょう。
バランスをしっかりキープしながらリーンアウトを意識し、低い姿勢でしっかりポジションを作るための練習です。
ゲレンデでもよく見かけるこの練習法ですが、ハイカットのスノーボードブーツを履いているときよりも足首が曲げやすくなります。
足首をしっかり曲げて板の角付けができるため、低い姿勢の練習に最適です
スノーボードのカービング時の姿勢『リーンアウト』についてはこちらから解説をご覧ください。
カービングターンでの姿勢はリーンアウトがカギ!内倒しないイケてる姿勢を伝授します
トゥサイドカーブメロングラブ
ロンスケでのトゥサイドのグラブターンでは、前の手でヒールエッジをつかみながらカービングターンをしていきます。
前の手でグラブをする位置は両足の真ん中ではなく前足のカカト付近がつかみやすく、安定して滑れます。
このときに両足の真ん中をつかもうとすると後ろ足に乗りすぎてしまうので注意が必要です。
下半身の関節をフルに曲げてより低い姿勢を取り、ターンの内側の手も使ってバランスを取りましょう。
内側の手を少し上げるようにするとバランスが取りやすくなります
ヒールサイドカーブフロントグラブ
ロンスケでのヒールサイドのグラブターンでは後ろの手でトゥエッジをつかみながらカービングターンをしていきます。
後ろの手でグラブする位置は両足の真ん中あたりがつかみやすく、安定して滑れます。
このときに前足側をつかんでしまうとからだがきゅうくつになります。
逆に後ろ足側をつかんでしまうと後ろ足に乗りすぎてしまいます。
両足の真ん中あたりをつかみながらしっかりとからだを開き、進行方向に目線を送り続けることでバランスが取りやすくなります。
ここでも目線が重要です
ヒールサイドでのグラブターンの際は後ろ足のヒザをたたむように深く曲げ、ヒザの外側からグラブするのがうまくいくコツです。
このテクニックはタックニーと呼ばれ、タックニーをすることで骨盤の向きを進行方向へ向けやすくなります。
つま先の引き上げとタックニーがバランスを取るときのキモです
スイッチカービング
雪上では少し怖いスイッチスタンスでのカービングターン。
スイッチカービングターンもビンディングのないロンスケならバランスをくずしたときに逃げやすいため、バランスとスピードにからだを慣らすのには最適です。
フラットでもお手軽に練習できるのも上達のためには好都合。
ゲレンデでは怖気づきがちなスイッチカービングですが、フラットでスケートボードを使えば低スピードから挑戦できます。
ここではかんたんにスイッチスタンスで滑り出せるアメリカンプッシュから始めてみます。
アメリカンプッシュはスケボーならではの動作です
アメリカンプッシュ(モンゴープッシュ)
まず、アメリカンプッシュ(モンゴープッシュとも呼ばれる)というスケートボード独特なプッシュから練習していきます。
アメリカンプッシュができなくてもスノーボードには影響ありませんが、バランス感覚を鍛えるのには向いていますのでぜひ挑戦してみてください。
アメリカンプッシュでは普段は前足として使っている足を後ろに置きます。
つま先の向きや重心の置き方など、基本的な動きは先ほどのベーシックなプッシュと非常によく似ていますが、デッキに乗ってからはスイッチスタンスで進むことになります。
アメリカンプッシュが不安な場合は後ろ足を前にしたスイッチプッシュで練習してもかまいません。
アメリカンプッシュ、スイッチプッシュ、どちらもイマイチしっくりこない場合は、スイッチライディングに慣れるまでの間、止まった状態でスタンスを作って壁を押してスタートするのがおすすめです。
動画を見てコツをしっかりつかんでから挑戦しましょう
スイッチヒールカービングターン
スイッチスタンスでのヒールサイドカービングターンでは進行方向に目線を送り、胸を開いて骨盤を向けることが非常に難しく感じるはずです。
このとき、後ろ足のヒザを前に送るように曲げると進行方向へからだを向けやすくなります。
普段のヒールサイドターンよりもやりにくいですが、目線・胸・骨盤・ヒザを意識してしっかりバランスを取りましょう。
レギュラースタンス以上にからだ全体のバランスが重要です
スイッチトゥサイドカービングターン
スイッチスタンスのトゥサイドターンでもメインスタンスのときと同様に、頭を倒しすぎずに進むことが重要です。
後ろ手でバランスを取りながら、両ヒザを地面に近づけるようにしてトゥエッジに乗り続けてください。
腰が折れて頭が落ちないよう注意してください
連続ショートターン
ロンスケでのカービングターンに慣れてきたら、今度は連続ショートターンで荷重抜重のタイミングをつかんでみましょう。
力強いプッシュでスピードを付けたら上下動で荷重抜重を繰り返し、板を細かく折り返してショートターンに挑戦してみましょう。
低くなるタイミングでデッキに荷重しながら前方へ板を押し込みます
いったん下に沈み、荷重してからきっかけをつかみます
伸び上がりながら一瞬抜重してエッジを切り返します
からだが置いていかれないよう進行方向を意識します
再び荷重してデッキを前方へ押し込みます
リズムよく繰り返してショートターンのリズムを作ります
はじめはゆっくりでもいいので、一定のリズムを作るのがコツです。
言葉にするとややこしそうですが、動画をしっかり見てイメージをつかんでおくとリズムよくターンできます。
ショートターンができるようになると格段にスキルアップできるはずです
まとめ
動画を見ていただければすぐわかりますが、ロンスケでのターンはまるでスノーボーディングしているような動作です。
- ターン技術の向上
- スクワット運動による筋力アップ
- 体幹強化からのバランスアップ
などの効果が期待できます。
スイッチスタンスでのライディングのコソ練にも最適なので、ぜひトライしてみてください。
楽しく効果的にスノーボードに似た動きをトレーニングができるロングスケートボード、カービングとフェイキーの練習に超おすすめです。
協力: 有限会社ベイリーフ
今回使用したロンスケはYOROI SKATEBOARDのRYU IIです
YOROI SKATEBOARDからはスノーボードのオフトレに特化したロンスケもリリースされました
そのほか、スノーボードのオフトレについてはこちらの記事もご覧ください。
スノーボードオフトレ大全!自宅で!スケボーで!オフトレ施設で!からだを鍛えて冬に備えよう!
編集部イチオシのバランスボードはこちら
藤沼到
プロスノーボーダー / イベントMC
1979年11月27日生まれ
藤沼到プロへのインタビューはこちらの記事をご覧ください。
藤沼到『みんな、ずっとスノーボーダーでいてほしい』スノマガインタビュー
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藤沼 到 プロスノーボーダー / RIDE FOR A SMILE
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