「初めてのスノーボード、ウェアはレンタルするとして、その下の服装って何を着るんだろう?」
どんな格好にしたらいいかわからない。
これは初心者にとってよくある疑問です。
雪山という非日常の世界では、普段の服装とは異なる工夫が求められます。
キーとなるのは重ね着。
ただ厚着をするのではなく、運動するに適した服と防寒に適した服を組み合わせて着用します。
今回は、動きやすさと防寒を両立させるためのインナーウェア選びについて、基本的なポイントをわかりやすく解説。
快適にスノーボードを楽しむために、重ね着のコツをしっかり押さえておきましょう!
寒いのも暑いのもつらいものです
動きやすさと防寒のバランスは?
動きやすさを優先
スノーボードを快適に楽しむためには、動きやすさと防寒のバランスが大切。
しかし、どちらがより重要かといえば、まずは動きやすさを優先するべきです。
とくに初心者は転倒や体勢の変化が多いため、からだをスムーズに動かせる服装が欠かせません。
過度に厚着をしてしまうと動きが制限され、疲れやすくなります。
また、雪山は基本的に寒いですが、スノーボードは激しいスポーツです。
汗をかくことも多いので、厚着では暑くなりすぎる可能性があります。
上達のためにも動きやすさを重視しましょう
スノーボードウェアの下には何を着る?
では、実際にはどんな服装が求められるのか、重ね着の基本をチェックしましょう。
上半身・トップスの具体例と下半身・ボトムスの具体例も提案していきます。
ファーストレイヤーとセカンドレイヤーで重ね着が基本
スノーボードウェアの下に着る服装は、下着の上に着るファーストレイヤー(ベースレイヤー)と、その上に着るセカンドレイヤー(ミッドレイヤー)の2層構造が基本です。
ファーストレイヤーは直接肌に触れる部分で、吸汗速乾性に優れたインナーを選びます。
セカンドレイヤーは保温性を高めるための中間層です。
この2つのレイヤーを調節することで、快適にスノーボードを楽しむことができます。
呼び方は覚えなくても大丈夫!重ね着の基本を押さえてください
上半身の具体例
まず、上半身のファーストレイヤーには、吸汗速乾性に優れた素材を選びます。
天然素材ならウール、化繊ならポリエステル、ポリウレタン(含スパンデックス)が適しています。
綿やレーヨン、キュプラは吸汗性には優れていますが、保水してしまって速乾性がないため、スノーボードには不向きです。
汗冷えで凍えないため、ファーストレイヤーの素材は吟味しましょう。
タグや組成表示は要チェックです
セカンドレイヤーは、保温性と動きやすさを重視すると、フリースやジャージ、薄手のダウンジャケットが適しています。
とくにフリースは、軽量で保温性が高い上に速乾性と通気性も良いため、蒸れにくく快適に過ごすことができます。
とてもしなやかで動きやすく、洗濯もかんたんなイチオシアイテムです。
フリースはポリエステル・ポリウレタン(含スパンデックス)がほとんどです
フリースではちょっと暑そうだな、という場合には、ジャージを検討してください。
ジャージはポリエステル製のものが多く、伸縮性が高く動きやすいので、スノーボードに適しています。
前開きタイプなら温度調整がしやすいのも高ポイント。
ただし、薄手で通気性が良いため、寒い日にはあまり適していません。
ジャージはポリエステルやポリウレタンが多く使われています
極寒の北海道や海外の場合、薄手のダウンジャケット、いわゆるインナーダウンと呼ばれるものを選ぶのがベター。
軽量ながら空気の層が厚いため、保温性が非常に高いのが特徴。
セカンドレイヤーとしては本州では出番が少ないかもしれませんが、タウンユースのアウターとしても使えるので、そろえておいて損はないアイテムです。
アウトドアブランドのインナーダウンは機能性もファッション性も高ポイント
もし、セカンドレイヤーでトレーナーやパーカーをチョイスする場合には、ファーストレイヤーと同じく素材に注意が必要です。
綿が多く入った素材の場合は保水力が高いため、汗冷えの原因になります。
必ずタグをチェックし、できるだけ綿の割合が低いものを選びましょう。
綿100%は肌触りが良いですが、重い上に機能性が低いので避けたほうが賢明です
もしも暑いか寒いかわからないと悩む日があるなら、ファーストレイヤーの上に半袖のポリエステルTシャツを重ね着して、暑かったら脱ぐというのも1つの手です。
ポケットに入る薄さのTシャツなら体温調整に最適です。
ポリエステルのTシャツはコスパが良いものが多く、お手軽なレイヤードです
下半身の具体例
次に下半身の具体例をチェックしていきます。
まず、ファーストレイヤーは上半身と同じく吸汗速乾性が重要です。
ウールやポリエステルのスポーツタイツ(つま先のないくるぶしまでのもの)、レギンス、スパッツを選びます。
ムレや冷えを防ぐため、綿、レーヨン、キュプラは避けてください。
男性の場合は少し恥ずかしさを感じるかもしれませんが、大丈夫。
上級者はみんな使っている基本アイテムなので、躊躇する必要はありません。
とくにコンプレッションタイプのスポーツタイプは、疲労軽減効果もあるのでスノーボードには最適です。
スポーツタイツは動きやすさも重視されているベストアイテムです
ファーストレイヤーにしっかりとしたアイテムを着用した場合には、セカンドレイヤーなしでウェアのパンツを履くのもアリ。
冷えが心配という場合にはポリエステルのジョガーパンツやジャージがおすすめです。
伸縮性があり、適度にフィットし、動きやすく、吸汗速乾性もある、意外とスノーボードに適したアイテムです。
夏物に感じますが、スノーボードにもピッタリです
もしヒップパッドを使いたい場合には、ファーストレイヤーの上にヒップパッドを装着し、ミッドレイヤーを省略するのも1つの手です。
ヒップパッドは座ったときの冷え対策にもなります
セカンドレイヤーにスウェットパンツを検討する場合もありますが、こちらは綿が入っていることが多いので、あまりおすすめできません。
おしりが濡れると気持ち悪い上に滑りにくいのでサイアクです
ユニクロやワークマン、安いけどぶっちゃけどうなの?
ヒートテックは綿やレーヨンを使っているからNG
水分で発熱することがウリのヒートテック。
爆発的にヒットした、持っていない人はいないほどの国民的なアイテムです。
寒いスキー場には最適なんじゃない?と思いがち。
しかし、ヒートテックは保水力の綿やレーヨンが含まれており、速乾性がありません。
はじめは暖かく感じるかもしれませんが、汗をかくにつれて脇や背中が湿っていき、汗冷えの原因になります。
ファーストレイヤーは吸汗速乾性を重視しましょう
エアリズムはキュプラを使っていないものならOK
ユニクロのアイテムにはエアリズムもあります。
こちらは夏のイメージがありますが、ポリエステルを多く使用した商品が多く、実は冬のスポーツにも適しています。
ただし、一部にはキュプラを使用したものもあるので、タグはしっかりチェックしてください。
キュプラは、綿やレーヨンと同様に吸湿性と保水力が高く、速乾性に欠けるので汗冷えの原因となります。
エアリズムは吸汗速乾性は高いですが、保温性は高くないので、着用する場合にはセカンドレイヤーを工夫してください。
エアリズムは薄手で動きやすいのもメリットです
ワークマンはメリノウールが高評価
アウトドア用品やファッション製品のラインナップが爆発的に増えたワークマン。
ここ数年話題となっているのは、メリノウール100%のインナーです。
吸汗速乾性が高く、消臭効果も高いメリノウールですが、ワークマンなだけあって圧倒的にリーズナブルな価格で購入できるとのこと。
店頭のみの取り扱いで通販では購入できず、また、人気商品のため実際に買いに行ってみないと在庫があるかわからないというデメリットがありますが、何かのついでにワークマンをのぞいてみるのもいいと思います。
メリノウールだけでなく、ポリエステルのインナーも豊富です
まとめ
スノーボードを快適に楽しむためには、ウェアの下に着るインナーウェアの選び方が重要です。
過度な厚着は動きが制限され、疲れやすくなるため、動きやすさを優先しましょう。
ファーストレイヤーとセカンドレイヤー、それぞれその日その日の気温に合わせることも必要です。
動きやすさと暖かさは両立できるので、今回の記事を参考に服装を選んでください。
寒さに負けず、スノーボードを楽しめるよう祈っています。
何度も言いますが、綿とレーヨンとキュプラは避けてください
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