インタビュー

藤沼到『みんな、ずっとスノーボーダーでいてほしい』スノマガインタビュー

スノーボード・ハーフパイプでマックツイストをキメるプロスノーボーダー藤沼到

数多くの大会で優勝し、スノーボードのコンペシーンを沸かせた藤沼到。

最近ではYouTubeでもその活躍を目にすることができます。

今なおイベントMCとしてスノーボードシーンを盛り上げ、ハウツー制作やコーチとして後進の育成にも励むマルチプレイヤー。

藤沼プロにスノーボードへの想いを聞いてみました。

あの人だなってわかるメソッドトゥイーク

スパインでトゥイークをキメるプロスノーボーダー藤沼到

いちばん好きなグラブは?

ランニングするときとかに頭の中で飛んでいる自分を想像することがあるんです。

オーディエンスのはるか上を飛んでいくようなエアとか。

それを想像するときにいつもしているグラブはメソッドトゥイークですね。

ハーフパイプだったりヒップだったりでバックサイドエアをしてヒールエッジをつかんで。

下から見ている人にソールが見えるような角度で後ろ足を蹴り出している。

プロライダーになるよりも前からそういう想像してランニングしたりしていましたが、そういうときの自分が必ずバックサイドエアのメソッドトゥイークをしていた、っていうくらい好きです。

どれだけ遠く離れた場所からでもそのエアを見たときに「あれ、あの人だな」って思われたいなって。

スノーボードで滑るときもそう思いながら練習していたのがメソッドトゥイークだったんだなって思います。

今は新雪が楽しい

スノーボードパウダーライディングプロスノーボーダー藤沼到

スノーボードをしていて一番楽しい、めちゃくちゃ楽しい、これが最高っていうのはどんなシチュエーションですか

ぼく、ずっとフリースタイルをやってて、以前はパッと頭に浮かぶのは大きなエアをしているときとかだったんです。

大会だったらオーディエンスが「ウワー!」って言ってバンザイしてくれているようなところで、そのはるか上を飛んでいくっていうのが気持ちいいって思っていました。

いまはやっぱり新雪を滑るって楽しいって思いますね。

新雪で、例えばゆうべはずっと降ってたけど、朝にはド晴れですっていうコンディションだったりするとめちゃくちゃ気持ちいい。

そういうときのワンターンとか、ぶわわわわって雪が上がるときとか気分が高揚しますね。

妙高にずっといたので新雪を滑れる機会はけっこう多かったんですけど、新雪を滑れるときって楽しいなと思うようになりました。

怪我を治して次のムービーを作りたい

スノーボード・ハーフパイプでアンドレクトをするプロスノーボーダー藤沼到

何年か前に怪我をしたって聞きましたが、それはいつごろ、どんな怪我だったんですか

スゴい怪我をしたのは2015年です。

スポーツを生業としている人がやる怪我としては相当ヤバい怪我でした。

今も靭帯3つないです。

そのときは膝蓋腱っていうヒザの大事な腱を切ってしまったんです。

人生でいちばん大きな怪我ですね。

半月板もひっくり返って真ん中に行っちゃったし、骨も折れたし。

怪我した当初は、回復しても小走りさえキツくなるかもっていう話だったんです。

でも、そこからリハビリして運動して、靭帯は3本ないながらもスノーボードできるくらい動けるようになりました。

今年も怪我していましたね、YouTubeで見ました

今回の怪我は腕の怪我ですね。

骨が4本折れました。

まだリハビリが必要ですけど、シーズンインには間に合うようにがんばっています。

去年のオフシーズンにスケートボードのハウツームービーを作ったのですが、それが好評だったんで、早く次を撮りたいです。

自分が動くからには元気な状態じゃないと撮れないので、腕がまだ自由に動かないのが今はもどかしいですね。

いろんな場を盛り上げるのが自分の役割

屏風スケートエリアのヒップでバックサイドグラブをキメるプロスノーボーダー藤沼到

プロスノーボーダーとしての今後の目標を教えてください

20代のときみたいに大会を回っているのであれば、「優勝します」とかそのツアーの「トップになります」とか、そういうことが目標っていうのも自然なところだなって思うんです。

アスリートってピークがあって、そのピークを無理やり継続するぞっていうのはかなり難しいことなんですよね。

いま、40代になって、正直、大会とかイベントとかで会っていた人と、雪上で会う機会がどんどん少なくなっています。

でも、競技の場に自分は出ることができなくなりました、じゃあもう行けないのかっていうわけではなくて。

ぼくはMCとしてまた呼んでもらえたりとか。

そこでたくさんの人とまた会えて、お付き合いが続いていたりするじゃないですか。

滑り続けていればまたみんなと会う機会もあると思うので、ずっとみんなに会うために滑り続ける環境をキープしていきたいって思います。

体力的なキープもありますし、立場上のキープもそうかもしれません。

今たずさわっているスポンサーの役に立ちたいっていう思いもあります。

YouTubeでいっしょにやっている岩ちゃんとも盛り上げたいっていうのもあります。

いろんな場を盛り上げるのが自分の役割なのかなって思いますね。

情報や場所を提供できる人になりたい

プロスノーボーダー藤沼到 オリジナルTシャツとオリジナルマスク

自分のショップだったりブランドだったり、立ち上げてみようっていうのは考えたりしますか

いまYouTubeの話にもなりましたが、動画を見てくれた人たちが「ステッカーないんですか」って言ってくださることがちょいちょいあったので、それなら作ってみようかなって。

実はつい最近ステッカーの試作ができあがりました。

アパレルはまだぼくがちょっと着るくらいしか作っていないんですけど。

イラストレーターのトオルナオイさんが書いてくれたぼくなんですが、このイラストをプリントしたシャツやマスクを試しています。

どちらも人に提供してもいいレベルだなと感じたらみなさんの手に入るような形でっては考えています。

藤沼到プロ オリジナルアパレル Tシャツ

ショップはずっとやってみたいなっていうのはありました。

ぼく、スケートボードのデッキテープ貼ったりとかセットアップしたりとか好きなんです。

オタク気質っていうんですかね、スケートボードの情報を収集するのが好きな10代を送っていたり。

でもいろんなことを教えてくれる人ってまわりにいなかったんですよ。

インターネットでググるとかもできなかった時代ですね。

スケートボード・ミニランプでハンドプラントをするプロスノーボーダー藤沼到

だから今のぼくがその当時近くにいたらすごくいい役を果たせただろうなって思うんです。

そういう人になりたいっていうのは前からあります。

ショップを開くには準備だったりタイミングだったりって必要なものがあるので、今はできていないですね。

指導の経験もあるので、練習できる場所とか提供できたらいいんだけどなっていう思いはあります。

みんな、ずっとスノーボーダーでいてほしい

バックカントリースノーボード プロスノーボーダー藤沼到

最後、読者のみなさんにメッセージをいただけますか

やっぱりスノーボードって楽しいじゃないですか。

みんなスノーボードが好きで、スノーボードが楽しいから、もっとうまくなりたい。

うまくなりたいっていう理由ももっと楽しくなりたいからとか、もっと仲間と楽しみたいからだと思うんです。

根本的にそこはみんな共通してスノーボードが楽しいからだと思うんで、その楽しい時間を長くキープしてほしいですね。

これまでの仲間の中でも一時期やめちゃって会えなくなった人もいるんですけど、続けている人とは会えるんですよ。

やりにくい環境のときってあると思うんです。

お子さんができてとか、仕事が変わってとか、雪山がない場所に転勤したとか。

スノーボードパウダーライディングプロスノーボーダー藤沼到

でもスノーボーダーの定義って「スノーボードをする人」「スノーボードが好きな人」でいいと思うんです。

一時滑れない、滑らないときがあったとしても「ぼくはスノーボーダーなんです」でいいと思うんですよね。

まだ行くつもりなら、たとえ行ってなかったとしても。

だからみんなずっとスノーボーダーでいてほしいです。

スノーボード好きな人で「もう10年行ってないや」っていうことがあっても、別に「スノーボーダーだから来年行くかも」でいいと思います。

スケートボードショップマウナ・スケートパークでハンドプラントをキメるプロスノーボーダー藤沼到

ぼくは10代の一番多感な時期にスケートボードに夢中だったせいか、怪我してスケボーできないときでも「自分はスケーターだ」っていう気持ちがあったんです、ずっと。

それでいいと思うんです。

スノーボードしている人、スケートボードしている人には仲間意識みたいなのもあって、滑り続けていれば繋がれている、どこかで会えるみたいな。

それで、なんていうのかな、スノーボードっていいワンターンができるだけで幸せ感じられるわけじゃないですか。

だから滑って、滑り続けて、スノーボーダーでい続けてほしいです。

スノーボードをやったことがあればもう「自分はスノーボーダーです」でいいと思うんですよね、一回でもやったことがあれば。

経験ゼロの人とは明らかに違うんですよ、だってもう人生変わっているわけですから。

「ワンターンしたことあるぞ」「サイドスリップしたことあるぞ」、だけでも胸を張って「スノーボーダーです」って言っていいと思うんですよね。

やっぱりスノーボーダーが日本に、世界にひとりでも多く増えて、増え続けてほしいな、と思います。

プロフィール

イラストレーターNaoi Toru氏によるプロスノーボーダー藤沼到

藤沼到

プロスノーボーダー / イベントMC

1979年11月27日生まれ

中1からスケートボードを始め、24歳でスノーボードのプロとなる。クラシックスタイル全開のビッグエアを武器に国際大会やプロツアー、国内最高峰コンペで活躍。プレイヤーとしてだけでなく大会MC・イベントMCとしてもスノーボード界を沸かせてきた。ハウツー本のライダー・執筆・監修やテレビ番組の監修・出演、ウィンタースポーツ専門学校講師、デフリンピック日本代表チームコーチなど、指導力にも定評がある。現在はYouTubeにも活動の場を広げており、お笑い芸人・岩ちゃんとのかけあいにも注目したい。

WEB & SNS

藤沼到公式サイト

YouTubeチャンネル
藤沼 到 プロスノーボーダー / RIDE FOR A SMILE

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関温泉スキー場
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主なリザルト

  • 2002年 JSBA全日本スノーボード選手権学生大会 準優勝
  • 2003年 JSBA全日本スノーボード選手権学生大会 優勝
  • 2004年 PSAプロツアーJWSC南郷チャレンジカップ 3位
  • 2005年 PSAプロツアー第1回高鷲スーパーパイプクラシック 優勝
  • 2006年 PSAプロツアー アルビレックスカップin南郷 優勝
  • 2008年 PSAプロツアー エージェック&アルビレックスカップin南郷 準優勝&ベストエアー賞受賞(Mc Twist)
  • 2008年 日産エクストレイル 日本オープン SUPERPIPE 6位入賞
  • 2008年 ウィルコムカップ 優勝
  • 2008年 ニュージーランドオープン ファイナリスト
  • 2010年 AIRMIX SUPER SESSION ファイナリスト
  • 2012年 MurasakiSports PRESENTS AIRMIX SUPERSESSION 優勝
  • 2012年 アドバンスカップ 準優勝
  • 2012年 プロツアーランキング 2位
  • 2015年 プロツアーランキング 5位、MBA SJ 6位入賞

  • この記事を書いた人

渡部ルミ

スノーボード歴26年の元JSBA公認プロスノーボーダー。かつてはインストラクター資格も保有。

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