スノーボードでカービングターンをしているつもりなのにテールがズレる……。
それ、ターン時の後ろ足の使い方が間違っているのかもしれません。
後ろ足の意識がイマイチわからないという方向けに、妙高山スノーボードスクールの稲川光伸校長が『後ろ足の使い方』を伝授してくれました。
ヒールサイド、トゥサイド、それぞれで後ろ足の使い方が異なるので、しっかり理解して実践していきましょう。
実際にトライする場合には、直滑降からのJターンや斜滑降からのCターンで練習するのがオススメ。
いきなり連続ターンではなく、ターンの後半で後ろ足を使いながら『キレ』を意識するところからスタートします。
しっかり後ろ足で押さえるテクニックを地道な練習で習得し、テールがズレない、きれいな弧を描くカービングターンをマスターしましょう。
そもそもカービングターンに自信がない!という場合には先にこちらの記事を確認してください
たった1日でカービングターンはマスターできる!3つの練習方法でキレの感覚を体得!
この記事の解説をしてくれたのはスノーボードインストラクター歴25年の大ベテラン、稲川光伸さん。
稲川さんは元JSBA公認デモンストレーターでもあり、また、元JSBA公認プロスノーボーダーでもあります。
執筆は元JSBA公認プロスノーボーダーで、公認校でのインストラクター経験もある渡部ルミが担当します。
後ろ足、基本理論
スノーボードでは前足がターンのはじめになって、後ろ足がターンの終わりになるのが基本。
ターンでは前足で舵取りし、そこに後ろ足がついてきます。
カービングターンの場合には前足と後ろ足が同じラインを通過して、ターンの弧が美しく半円になるのが理想。
ターン中、スノーボードのエッジが立つ方向に対して後ろ足の力の入れ具合が弱いと、スノーボードを押さえきれずにテールがズレてしまいます。
しっかりとキレのあるターンをしたい場合には
- 前足でスノーボードが進む方向を決める
- 後ろ足が前足と同じラインを通るようにする
- 後ろ足でしっかり板を押さえ、ズレないようにする
これが重要なポイントです。
後ろ足の使い方
では、実際にカービングターン時にスノーボードがズレないようにするには、具体的に後ろ足をどう意識し、どう使えばいいのか。
テールのエッジがズレずにカービングターンができる方法を考えてみましょう。
ヒールサイドではヒザを内側に絞る
ヒールサイドの場合にはターン中に後ろ足のヒザを内側に絞るのがポイント。
まず、両足のつま先を引き上げて足首を曲げることでエッジが立ちます。
エッジが立ってカービングターンになっているときに、後ろヒザを内側に絞る意識をしてみてください。
後ろヒザを意識するとカカトの内側に荷重点が移動します。
このポイントにしっかりと荷重をしてテールを押さえることで、ズレの少ない、キレの要素が強いカービングターンができます。
ヒザの意識は後ろ足の内モモの筋肉を使うとうまくイメージできます。
トゥサイドの場合
トゥサイドでは後ろヒザがターン方向に曲がるので、ヒザをしっかり曲げて後ろ足のブーツのタンの部分に荷重します。
後ろ足のブーツを折り曲げる感じで膝を曲げるとうまく力が伝わるでしょう。
その上で内側にヒザを入れて少し絞ります。
さらに後ろヒザだけでなく前ヒザも絞り、ヒザとヒザをくっつけるようなイメージで滑る。
そうするとボードがしなりやすくなり、エッジの安定感が増します。
後ろ足NG集
ヒールサイドで棒立ちになってしまう
ヒールサイドでつま先の引き上げがうまくできないと、からだが真っすぐ伸びてしまいます。
からだが伸びると腰の位置が前足に寄ってしまい、テールから力が逃げてしまいます。
テールから力が逃げてしまうとスノーボードはズレてしまい、きれいなカービングターンができません。
トゥサイドでつま先立ちになってしまう
トゥサイドでエッジを立てようとしたときに、からだを倒すことを意識しすぎてしまうと、内倒して重心がセンターから逃げてしまいます。
つま先立ちになってしまうとヒザがしっかり内側に入らず、荷重ポイントが合わなくなり、エッジが立ちにくくなります。
バレリーナのようになってしまうのはNGです。
厳選!カービングターンにおすすめの板
カービングターンにおすすめなのは、ノーズが長いシェイプのディレクショナルボード。
ディレクショナルボードは高速安定性が高いため、ゲレンデクルージングに最適です。
エッジトゥエッジのフルコンタクトには高い反発力も必須。
たくさんのメーカー・ブランドでカービング対応モデルがありますが、その中から3本と、旧モデル1本を選んでご紹介します。
K2 GATEWAY POP
1962年にアメリカ・ワシントン州で創業したK2。
K2のGATEWAY POPは中・上級者向けのオールマウンテンモデルです。
ロッカーとキャンバーを組み合わせた形状を採用し、パウダーから圧雪まであらゆるコンディションに対応。
ハリのあるフレックスでキレのあるカービングターンが可能となっています。
SIMS SNOWBOARDS ATV
1976年に創業された、スノーボード界を牽引する老舗のSIMS SNOWBOARDS(シムススノーボード)。
SIMSのATVはトラディショナルなキャンバーとロングノーズのツインチップを採用したカービングモデルです。
ノーズからテールまでカーボンが配置され、レスポンスとコントロール性を両立。
硬すぎないので初中級者から上級者までカバーできる、頼れる一本となっています。
NITRO SNOWBOARDS CINEMA
1990年にシアトルで生まれたNITRO SNOWBOARDS(ナイトロスノーボード)。
NITOROのCINEMAはディレクショナルシェイプを採用したオールマウンテンモデルです。
ハイブリッドのガルウィングキャンバーで、楽しみながら技術を向上できるのがうれしいポイント。
カービングはもちろんのこと、オーリーでも実力を発揮するので、カービングは好きだけれどフリースタイルも捨てがたい!というライダーにおすすめ。
旧モデル 22-23 SIMS SNOWBOARDS ATV
少しでも安い板を!と思う方は旧モデルをねらうのも1つの手です。
上で紹介したSIMS ATVの22-23モデルがこちら。
旧モデルは在庫限り、早いもの勝ちなので、気になる場合は早めの決断が必要です。
まとめ
カービングターンでスノーボードをズラさずににしっかりと弧を描くには、ヒザの意識が重要。
- ヒールサイドではつま先を引き上げて後ろヒザを絞る
- トゥサイドでは後ろスネをブーツに押し付けて両ヒザを少し絞る
これを意識するとカービングターンのキレが飛躍的にアップするでしょう。
後ろ足上手はカービングマスターへの近道。
しっかり練習して気持ちの良いカービングターンを楽しんでください。
ズレの少ないカービングターンができるのは最高に楽しい!
参考 - カービングターンでの姿勢はリーンアウトがカギ!内倒しないイケてる姿勢を伝授します
この記事を解説してくれたライダー
この記事を解説してくれたのはOGASAKA SNOWBOARDSのライダーで、CTなどの製品開発にもかかわっている稲川光伸さん。
妙高山スノーボードスクール・月山スノーボードスクールのふたつのスクールの代表であると同時に専門学校の講師でもある、スノーボードレッスンのプロ中のプロです。
YouTubeでもハウツー動画を展開しているのでチャンネル登録必須!
稲川さんのレッスンが受けられるスキー場
- 赤倉温泉スキー場
- 赤倉観光リゾートスキー場
- 月山スキー場
- 乗鞍大雪渓
- ふじてんサマーゲレンデ
レッスンやキャンプの最新情報は公式ウエブサイトでチェック!
妙高山スノーボードスクール公式サイト
月山スノーボードスクール公式サイト
稲川さんのセッティング
スタンス | レギュラー |
スタンス幅 | 58cm |
前足のアングル | 27° |
後ろ足のアングル | 0° |
稲川さんが使用するCTのインプレッションはこちら
【開発ライダーコメントあり】カービングメインのオールラウンドボードOGASAKA CT
稲川光伸
JSBA 第3期、第4期、第5期デモンストレーター
元JSBA公認プロスノーボーダー
JSBA妙高山スノーボードスクール 代表
JSBA月山スノーボードスクール 代表
JWSC全日本ウィンタースポーツ専門学校 講師
チームアルビレックス新潟所属
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