ターンができるようになったけど、自分のスノーボードのレベルってどのくらいって言っていいんだろう?
中級者ってどこからなんだろう?
あなたはそんな疑問を持ちながらスノーボードの上達方法を知りたいと思っているのではないでしょうか。
- スノーボードがまったく初めてだ、というのが初心者
- 左右に板の向きを変えてターンをつないでいけるのが初級者
- 思いどおりに連続ターンができるのが中級者
だとスノマガは考えます。
ここで紹介するのは初級者が中級者にステップアップするためのハウツー。
連続ターンをスムーズに行い、中・緩斜面を自分のペースで降りてこれるようになるのが目標です。
今回キーワードとなるのは『ストローク』。
体のすべての関節を大きく曲げ伸ばしして、ストロークを使ったターンをすることが中級レベルのポイント。
5つの練習方法を紹介しますので、順を追ってトライしてください。
ひとつひとつステップを進めてストロークの使い方を少しずつ身に付ければ、スムーズなターンができるようになるはずです。
しっかりマスターすれば中級者コースもお手の物。
思いどおりのターン弧でゲレンデクルージングを楽しみましょう!
今回はくどいくらい『ストローク』がキモとなります
この記事は1日目でターンを覚え、2日目で連続ターンがなんとなくできるようになった方のための、スノーボード3日目を想定しています。
連続ターンがまだビミョーという方は、2日目に戻ってS字ターン(連続ターン)ができるように練習しましょう。
1日目: 【必ず滑れる!】スノボ初心者でも1日でターンできる超ていねいなコツ
2日目: 連続ターンできれいなS字を描く2つのコツ【スノボ2日目】
この記事はJSBA公認デモンストレーターの谷口淳さんが監修し、モデルを務めています。
谷口デモはハチ高原スキー場とハチ北高原スキー場で展開するウエストスノーボードスクールの校長でもあります。
構成・執筆は元プロスノーボーダーでインストラクター経験もある渡部ルミが担当します。
5つの練習方法
5つの練習すべて、板の上でたくさん動き、体全体のストロークを使うことがテーマです。
ストロークとはかんたんに言えば上下運動のこと。
立ち上がったり沈み込んだりすることで、重心が板から離れたり近づいたり。
スムーズなターンを行うには、重心を移動させながら板の上で自由自在に動けるということが非常に重要になります。
ストロークをテーマにしながらこれらの5つの練習を行っていきましょう。
板の上で上下動・ジャンプ
まずは平地で板が止まった状態で行います。
板の上で上下運動をし、全身のストロークを使って動いてみます。
ポジションが変な方向にねじれてずれていると、なかなかじょうずに上下動できません。
平地でしっかり向きを合わせて動いていきましょう。
step.1
前足のつま先の向きに合わせてヒザの向きを変えます
step.2
ヒザに合わせて腰の位置を動かし、おヘソの向きをつま先とヒザの向きに合わせます
step.3
そのまま胸の位置、肩のラインを合わせます
step.4
脚部(足首・ヒザ・股関節)を中心として、体全体の関節を曲げ伸ばしして上下動します
上下運動がスムーズにできるようになったら、次はジャンプしてみましょう。
ジャンプと着地を繰り返すと、一番いいポジションがわかってきます。
ただの上下動よりもジャンプのほうがシビアなポジションを求められます。
ジャンプでなかなか動けないようなら、とりあえず上下動だけでもOK。とにかくスムーズに動くことを目標にしましょう
step.1
前足のつま先の向きに合わせてヒザの向きを変えます
step.2
ヒザに合わせて腰の位置を動かし、おヘソの向きをつま先とヒザの向きに合わせます
step.3
そのまま胸の位置、肩のラインを合わせます
step.4
体に力を入れすぎないように気をつけながら、全身を使ってジャンプをします
斜滑降しながら上下動・ジャンプ
平地での上下動・ジャンプがうまくできるようになったら、今度は斜滑降をしながら上下動と斜滑降をしながらジャンプをしてみましょう。
基本は平地で行った練習といっしょ。
体をねじることなく、自然に全身の関節を曲げていきます。
全体のポジションを意識しながら上下動・ジャンプができるように練習してください。
進んでいる板に対してテール方向に動いてしまうのはNG。
重心が後方に遅れてズレてしまい、スムーズにストロークを使うことができません。
板といっしょに進む意識を持ちましょう。
大きく横に動くので、斜面上方から人が来ないことを確認して滑り出しましょう
うまくいかないときは?
前足に対して体がねじれていませんか?
前足のつま先の向きとヒザの向き、腰の向き、体の向き。
ジャンプする前もジャンプしたあとも、ねじったりひねったりせずに自然にポジショニングしてください。
大きくストロークできるポジションが良いポジションです。
ノーズドロップ
板の上でストロークが使えるようになったら、ノーズドロップにうつります。
低い姿勢を取り、立ち上がるタイミングで斜面下方向にノーズを落としていきます。
ターンの切り替えに向かって、ストロークを使ってしっかり動いていくのが重要。
初心者のときはなんとなく覚えたノーズドロップですが、今度は自分からターンを仕掛けていく意識を持ちます。
重心をスムーズに移動させ、スーッと大きく弧を描きましょう。
テールを振り出さずにゆっくりとノーズを落としていきましょう
step.1
ニュートラルポジションで斜滑降しながらいったん沈み込みます
step.2
ゆっくりと立ち上がりながらノーズを斜面下方向に落とし込みます
step.3
板が下を向いたらそのままノーズを横方向に向けながら沈み込みます
step.4
しっかり沈み込みながらスピードをコントロールします
スライド連続ターン・ロング
弧を描くノーズドロップができるようになったら、今度はターンをつなげていきます。
はじめは大きく動くロングターンから。
大きくストロークを使い、ゆったりしたロングターンで大きな弧を描きます。
上体をローテーションさせすぎたり、テールを大きく振り出したりすると、ターン弧がカクカクしてしまうので注意が必要。
板の向きを変えることよりも、ストロークを使いながらきれいに弧を描くことを意識しましょう。
カクカクしない、半円をつないだターンを目指します
step.1
ニュートラルポジションで斜滑降しながら、全身の関節をしっかり使っていったん沈み込みます
step.2
ゆっくりと立ち上がり、大きくストロークを使いながらノーズドロップをしていきます
step.3
ストロークを意識し、ゆっくりと沈み込みながらターンを終わらせます
step.4
沈み込んだ低い姿勢で次のターンにそなえます
step.5
大きくストロークを使いながら2、3、4を繰り返します
スライド連続ターン・ロングからミドルへ
ストロークを使い大きな弧を描くロングターンができるようになったら、リズムを変えたミドルターンに挑戦してみましょう。
はじめは大きな弧のロングターンからスタートし、徐々に小さな弧にしていきます。
ストロークの大きさはロングターンもミドルターンも同じ。
異なるのはストロークを使うタイミングです。
しっかり大きく動きながらタイミングを早めていき、ターンの弧の大きさをコントロールしましょう。
積極的に動いてターンをコントロールしていきます
step.1
しっかり大きなストロークを使ったロングターンから始めます
step.2
立ち上がるタイミング、沈み込むタイミングを少し早めてロングよりも小さめのターンにします
step.3
さらにタイミングを早めてターンの弧を小さくします
step.4
リズムに乗ってターンを続けます
行き詰まったらどうする?
じっくりロングターンを練習しよう!
まずは大きな動きでしっかりとストロークを使うのがこの3日目のポイント。
ゆっくりなリズムで練習して、ストロークの使い方を体に染み込ませます。
しつこいほどにロングターンを練習しましょう。
ロングターンで自分が思った大きさの弧を確実に描けるようになってから、リズムを早めたターンに取り組んでください。
うしろから声掛けをしてもらおう!
ストロークを使ったターンの場合には、いつ切り替えたらいいのか、きっかけがうまくつかめないことがあります。
そんなときは上級者にうしろから声掛けをしてもらうとスムーズにできるようになるかもしれません。
ターンは立ち上がる・沈み込む、の繰り返しです。
立つ・沈み込む、のタイミングを知っている上級者に声をかけてもらうことで、ストロークを使ったスムーズなターンをマスターしましょう。
スクールに入ろう!
うしろから声掛けしてくれるような上級者がいない。
そんなときはスクールでレッスンを受けるのがおすすめ。
インストラクターに客観的に見てもらい、アドバイスを受けると道がひらけるかもしれません。
ポジションの良し悪しをチェックしてもらい、ストロークを大きく使えるポジションに導いてもらう。
それが上達の近道です。
中級者におすすめの板
このレベルのスノーボーダーにおすすめなのは、オールラウンドタイプの板です。
初中級者向けのオールラウンドボードならスライドの連続ターンはもちろん、次のステップであるカービングターンにも対応。
さまざまなシチュエーションで楽しめるので、遊びの幅も広がります。
SALOMON SIGHT
SALOMON(サロモン)のSIGHTはディレクショナルシェイプ(ノーズ側が長い)を採用したオールマウンテンボード。
圧雪バーンで実力を発揮する設計で、初・中級者の滑りをサポートします。
低密度ファイバー構造で軽量。
適度なミドルフレックスで、扱いやすいのが特徴です。
RIDE AGENDA
RIDEのAGENDAは上達を目指す初・中級者向けのメローな一本。
ソフトフレックスなのでグラトリやパークを視野に入れたライダーにおすすめです。
エクストルーデッドソールを採用しているのでホットワックスは不要。
かんたんな手入れだけで本領を発揮します。
SIMS ATV
SIMSのATVはキャンバーのロングノーズツインチップ。
カーボンが搭載されているので反発力を生かしたライディングが可能。
ノーズ側が長めに作られているので高速安定性が高く、また、パウダーでも活躍できます。
ビッグ・マウンテンでのライディングにあこがれるライダーにおすすめ。
RIDE AGENDA 22-23 旧モデル
予算を抑えたい!という方は旧モデルを検討しましょう。
上で紹介したAGENDAの旧モデルは29,900円とお買い得。
2023年8月現在、149、152、155、158で在庫があります。
旧モデルは在庫限り。早いもの勝ちなので決断はお早めに!
まとめ
スムーズな連続ターンにはストロークをしっかり使って動いていくことが必須です。
平地でできないことは斜滑降でできないし、斜滑降でできないことはターン中もできません。
うまくいかないな、と思ったら1つ前の段階に戻り、大きく動けるように練習しましょう。
自分でリズムをコントロールし、思いどおりのターン弧で連続ターンができればあなたも中級者!
ゲレンデを自在に滑れるようになるので、スノーボードがさらに楽しくなるはずです。
このスライドをコントロールした連続ターンはノービスターンとも呼ばれます
ここまでできれば次はズレ幅を抑えたカービングターン。
カービングターン初心者のための記事へステップアップしてください。
たった1日でカービングターンはマスターできる!3つの練習方法でキレの感覚を体得!
この記事を監修してくれたライダー
谷口 淳 - Jun Taniguchi
JSBA公認デモンストレーター
スノーボード歴 22年
インストラクター歴 17年
2000年、スノーボードを始める。そのシーズンのうちにJSBAバッジテスト2級・1級を取得。夏にはC級インストラクター資格を取得。
2003年、B級インストラクター資格取得。
2005年、奥伊吹スキー場にてインストラクターデビュー。A級インストラクター資格を取得。
2007年、カナダ・バンクーバーに活動拠点を移し、ウィスラー・ブラッコムでマウンテンガイドを務める。帰国後は2010年まで奥伊吹スキー場にて非常勤インストラクター。
2011年より、ウエストスノーボードスクール(ハチ・ハチ北スキー場)で非常勤インストラクター。
2015年より常勤インストラクターに。
2017年よりウエストスノーボードスクール 校長に。
2022年現在、ハチ高原スキー場、ハチ北スキー場、氷ノ山国際スキー場、おじろスキー場、万場スキー場、峰山高原ホワイトピークの6リゾートにてウエストスノーボードスクールを展開し、現場代表として活躍。
2010年からはスノーボードチーム『クラブウエスト』を結成し、カービング技術の向上・総合滑走能力の向上を目指してチーム活動中。
また、JSBA主任講師、主任検定員として、インストラクター年次講習会やインストラクター実技検定会を開催・運営している。
主な戦績
JSBA全日本スノーボードテクニカル選手権西日本大会 優勝5回
JSBA全日本スノーボードテクニカル選手権大会 フリースタイル男子の部 入賞3回
2022年、JSBAデモンストレーター選考会 男子総合4位
第19期JSBAデモンストレーター初認定
SAJ兵庫県スノーボード技術選手権 優勝3回
SAJ西日本スノーボード技術選手権 2017年優勝
SAJ全日本スノーボード技術選手権 2017年入賞
2018年、JSBA全日本スノーボード選手権(レース) DU SL ソフトブーツ部門 優勝
2019年、ヨンナナカップ GS・SLともにソフトブーツ部門 優勝
2014年、テックテスト TECH.1、TECH.2 合格
2017年、TECH.3合格(TECH.3 認定第1号)
スポンサー
YONEX snowboard
SP Bindings
head Snowboards
TOLASMIK
bee house sports
earth crew
west snowboardschool
HP・SNS
谷口淳オフィシャルサイト
Instagram @taniguchi.jun
谷口デモがフリーランで使う板はこちら
早割リフト券 PICK UP