斜面でS字を描いてターンすることを「連続ターン」と呼びます。この記事では、スノーボードをはじめたばかりの人が、1日で連続ターンをマスターすることを目指します。
まとめると、最初に覚えたいS字カーブ(連続ターン)のコツは3つです。
きれいなS字を描くターンのコツ- 後ろ足を振り出してターン
- 体全体で伸び上がりながらボードを切り替え
文字だけでは理解しにくいので、写真と動画で詳しく説明していきましょう!
スノボ1日目の人は初心者が必ずターンできるまでを解説した記事を、まず読んでみてください。
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ここで練習するのは後ろ足を振り出してボードをずらしながら回るターンのしかたです。スクールに入ると「ノービスターン」という名前で教わるかもしれません。
S字のコツ①後ろ足の振り出しを使う
S字の練習を始める前に、スノーボード初日に練習した「コの字」ターンをおさらいしておきましょう。
![コの字ターンのしかた(ダイヤグラム)](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/コの字ターンの概念図.jpg)
「スノマガ」では、スノーボードをはじめたその日のうちにターンできる方法を解説しています。
上の記事で解説している「コの字ターン」なら、スノーボードが初めてでも、1日でターンをマスターできてしまいます。「まだできない」という人は、ぜひコの字ターンの記事からスタートしてください。
![スノボンヌ博士](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2021/02/xrHvwyZ9_400x400.jpg)
ここからは、S字カーブ=連続ターンを1日でマスターするためのコツを解説していきます。
今回も実演&解説を、妙高山スノーボードスクール代表の稲川光伸さんにお願いしました。
後ろ足を振り出すことでターンの形をつくる
![S字ターンのしかた(ダイヤグラム)](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/S字少し簡略化.jpg)
連続ターンでS字カーブを描くには、上の図のように後ろ足を振り出すことでターン弧をつくります。
![スノボンヌ博士](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2021/02/xrHvwyZ9_400x400.jpg)
コの字ターンで使ったテクニックだけで、S字は十分できてしまいます。問題はタイミングとスピードだけです。
後ろ足を振り出すタイミングは「11時」の位置
![スライドターンで後ろ足を振り出すタイミング1](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/Step1・11時の位置で降り出す.jpg)
最初は、上の図のように、時計でいえば11時の位置で後ろ足を振り出します。コの字ターンよりも少しだけ、S字に近づいてくるはずです。
反対側のターンは時計の1時の位置で後ろ足を振り出します。
![スライドターンで後ろ足を振り出すタイミング2](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/フの字になっている.jpg)
この時点では、まだ完全なS字ではなく、フの字かくの字のようなカクカクした形になっているはずです。でも、コの字からS字に一歩近づきました。
最初は細かいことは抜きにして「後ろ足を振り出すことでターンしてみる」練習をしましょう。
慣れてきたら10時の位置に挑戦![スライドターンで後ろ足を振り出すタイミング3](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/Step2・10時の位置で降り出す.jpg)
反対側のターンは時計の2時の位置で後ろ足を振り出します。
![スライドターンで後ろ足を振り出すタイミング4](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/Step2・10時の位置で降り出す-2.jpg)
こんな感じで、だんだんとターン弧が丸くなってきます。ここまでくると、かなりS字に近くなってきています。
究極的には12時の位置と6時の位置でボードを切り替えることになるのですが、そこまで進みたい人は、カービングターンの解説記事(元プロスノーボーダーの渡部ルミ担当)を読んでみてください。
スピードを落とさない意識も必要に
![コの字ターン(ダイヤグラム)](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/コの字は動作が止まってもOK.jpg)
コの字ターンは、斜滑降→ノーズドロップ→直滑降→停止……と、1つ1つの動作をバラバラに行っても、なんとかなりました。
しかし、連続ターンでS字を描くためには、すべての動作を続けて行う必要があります。
そしてそのためには、コの字ターンの時よりもスピードを意識する必要が出てきます。
![連続ターン](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/動きを止めない.jpg)
今までよりも少しスピードを意識して滑るようにしてください。
S字のコツ②体全体で伸び上がる
スノーボードで滑っている時、大半はトゥ側かヒール側、どちらかのエッジに乗っています。
でも、ターンのどこかで、トゥからヒールまたはヒールからトゥ側エッジへと切り替える必要があります。
![](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/ターン中のエッジの切り替え手順.jpg)
この「ボードの切り替え」が難しいと感じたら、「体の上下動」を意識してみてください。
上下動のうち、上に伸び上がるのは「抜重」といって、ボードにかかる力(ボードに乗っている体重)を弱めるのが目的です。
小さくなると「荷重」といって、ボードにしっかり力を乗せることができます。
体全体で伸び上がることでボードを動かしやすくする
![ヒールサイドターンの抜重のしかた](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/バックサイドターンの抜重-1.jpg)
ヒールサイドターン(バックサイドターン)では、
- 肩越しに進行方向を見ながら
- やや前足寄りに立ち上がって抜重
- 軽くなったテールをターン外側に振り出す
という動きでボードを切り替えます。
![トゥサイドターンの抜重のしかた](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/フロントサイドターンの抜重-1.jpg)
トゥサイドターン(フロントサイドターン)も、ポイントは同じです。
ただし、トゥサイドターンでは、カウンターローテーションといって、ターン外側に振り出したボードと逆方向に上半身をひねる動きを意識しましょう。逆ひねりによって、ボードのズレをコントロールします。
ヒールサイドターンでもカウンターローテーションをしますが、トゥサイドターンより小さめです。
ボードを切り返したら体を低くする
![エッジングを強めるための低い姿勢](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/低い姿勢でエッジングを強める.jpg)
ターン中に後ろ足を振り出した後、低い姿勢になってエッジングを強めていきます。
しっかりエッジングすることでスピードが落ちて、安全にターンをすることができます。ここでは、最初のうちはスピードが大きく落ちてしまっても大丈夫です。
稲川代表の動画でターン中の動きをチェック
この章で説明した、ボードの切り替えや上下動(荷重・抜重)については、稲川代表の解説動画でおさらいしてみてください。
最初は、稲川代表のように平らな雪面で、板をつけずに練習してみてもいいでしょう。エッジを切り替えたり、体を上下に動かす感覚を確認してみてください。
S字ができない時のチェックポイント
スクールに入ると、初めての連続ターン(S字)に挑戦する前に、さまざまな技術を練習します。そういった基本を練習しておかないと、ターンが怖い! と感じてしまうかもしれません。
「スノマガ」でも基礎的な技術を解説しているので、連続ターンがうまくいかないと感じたら、以下の記事を読んでみてください。
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トゥサイドターンが怖くてできない場合
![トゥサイドターンができない失敗例](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/フロントサイドターンに入れない.jpg)
どちらのターンが苦手かは人によるのですが、どちらかというと「トゥサイドターンが怖い」という人が多いようです。
とくに斜度がある場合、トゥサイドターンは谷に飛び込むような怖さがあります。
そこで、トゥサイドターンが怖い場合は、いったんノーズドロップに戻って練習するといいでしょう。
縦に滑る「ノーズドロップ」入門|関連記事
ノーズドロップができない(木の葉しかできない)5つの原因と対処方法を確認して、スムーズにボードを先落としできるように練習してみましょう。
その上で、もう一度トゥサイドターンに挑戦すると、これまでよりスムーズにボードを操作できるはずです。
ヒールサイドターンが怖くてできない場合
![ヒールサイドターンができない失敗例](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/バックサイドターンに入れない.jpg)
ヒールサイドターンは最初のきっかけがつかみにくいことがあります。その場合は、次のように意識してみてください。
- 体の軸を前足寄りにして伸び上がる(抜重)
- 上半身のローテーションを強めに
- 後ろ足を積極的に振り出す
どうしてもうまくいかない場合は、前の手で進行方向を指さしながらターンしてみてください。
指さした手が先行することで上半身のローテーションが強くなり、ターンに入りやすくなります。
荷重して低くなる時安定しない
![姿勢を低くする時の間違った姿勢](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/低くなりかたが変.jpg)
最初のうちは、低くなろうとして頭だけ下がってしまうことがあります。こうなるとバランスが悪く、安定しません。
![股関節を曲げて正しく低くなる例(稲川光伸氏)](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/股関節だけ曲げるようにする.jpg)
低くなる時は頭を下げるのではなく、股関節、ヒザ、足首を曲げるようにしましょう。最初は股関節だけを意識してもOKです。
![フトコロを作るライディング姿勢(稲川光伸氏)](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/おなかにパンチを受けた感じ.jpg)
おなかにパンチをされた感じでふところを作る……というのもよくいわれます。おなかにパンチを受けて「うっ」となった姿勢をとると、うまく股関節を曲げて低くなることができます。
S字ができたら「自由自在なターン」をめざそう
![カービングターン トゥサイド](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2023/08/carving-taniguchi-0001.jpg)
この記事を読んで「ゲレンデでS字を描く連続ターンができた!」という人向けに、もっと自由自在なターンをするためのハウツー記事を制作しました。
こちらは谷口淳デモが解説をしてくれています。
中級者を目指し、ゲレンデをかっこよく滑り降りたい! という人はぜひチェックしてみてください。
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ターンができるようになったけど、自分のスノーボードのレベルってどのくらいって言っていいんだろう? 中級者ってどこからなんだろう? あなたはそんな疑問を持ちながらスノーボードの上達方法を知りたいと思って ...
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自由なターン弧でゲレンデを滑ることができるようになると、スノーボードがもっと楽しくなりますよ!
まとめと用語解説
この記事を3行でまとめると、
- コの字ターンを卒業して連続ターンをするには「後ろ足の振り出し」
- スムーズにエッジを切り替えるために体を伸ばして「抜重」
- ターンの後半は体を縮めて「荷重」し、エッジングを安定させる
ということでした。
この記事で解説したのは、後ろ足の振り出しを利用して、ボードをズラしながら連続ターンする滑りかたです。
この記事をマスターして、カービングターンに進みたい人には、次の記事をもおすすめです。
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用語解説
![JSBAスノーボード教程](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2022/06/JSBAスノーボード教程.jpg)
スノーボードの用語は少し入り乱れています。ここでは用語を整理しておきますが、必ずしも覚える必要はありません。
![スノボンヌ博士](https://snowboard50.com/wp-content/uploads/2021/02/xrHvwyZ9_400x400.jpg)
ただ、記事の内容を整理し、より理解を深めるために「それとこれは、同じ意味だったんだね」という感じで、さらっと読み流しておいてください。
![](https://snowboard50.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
S字カーブは「連続ターン」
よく「S字」「S字カーブ」といいますが、これは正しくは連続ターンと呼びます。この記事ではわかりやすさ優先で「S字」と表記しているか所がありますが、JSBAの教程本などでは「連続ターン」と表記されています。
スクールに入った場合も「連続ターン」という用語を使います。
トゥサイドターン? フロントサイドターン?
レギュラーの人が右に曲がることをトゥサイドターンまたはフロントサイドターンといいます。左に曲がることをヒールサイドターンまたはバックサイドターンといいます。
JSBA的には
- フロントサイドターンではなくトゥサイドターン
- バックサイドターンではなくヒールサイドターン
と呼んでいます。スクールに入ると、たぶんこっちの用語で教わります。
そこで、この記事でもトゥサイドターンとヒールサイドターンという用語を使っています。
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