スノーボード初心者・初級者のうちはおしりパッド(ヒップパッド)があると安心です。
最初はお尻から転ぶことも多いですし、雪の上に据わる機会も多いからです。
ただ、初心者のうちは高いプロテクターまでは必要ないでしょう。ちょっとうまくなったら「プロテクターは使わなくていいかな……」と思いがちだからです。
さらに上級者になり、ハーフパイプやパークに入るようになると、今度は高性能なプロテクターが必要になります。
そこで、普通にゲレンデを滑る分には、高価すぎない必要十分レベルのプロテクターをおすすめします。
安くて丈夫なイチオシモデル
とりあえず、これを買っておけば何とかなります。
スノーボード用具の買い忘れはありませんか?……スノーボードに必要な用具は他にもいろいろありますよ。スノボの持ち物リストを特集した記事で、もれがないかチェックしてみてください。
おしりパッドは「お手頃価格でも十分」な理由
筆者も初心者の頃はおしりパッド(ヒップパッド)のお世話になりました。ただ、どれくらい使ったのかと考えると、最初の1シーズンだけだった記憶があります。
こけなくなったら使わなくなりました。
初心者から初級レベルにステップアップした時点で、いったんおしりパッドを使わなくなる人が多いはずです。
そこで、初心者のうちは最新の衝撃吸収素材を使った高いモデルまでは必要なく、EVAなど一般的な素材を使ったお手頃モデルで十分といえます。
D3OやXRDなどの新素材を使ったプロテクターは上級者向けですね。
また、おしりパッドは「雪の上にお尻をついて座るときに、冷たくなりにくい」という効果もあり、とりあえず1つ持っていてもソンはありません。
おしりパッド以外に用意しておきたいプロテクター
おしりパッド以外に用意しておきたいものといえば、ヒザパッドがあげられます。転倒時に役立つほか、雪の上にヒザをついたときに冷たくないという点もポイントです。
こちらも高級モデルでなく、そこそこの製品で大丈夫。サイズが合っていて動きやすければOKです。
おすすめヒザパッドの例
手首のプロテクター(リストガード)については賛否両論あるので慎重に。実は転倒して手をついたとき、リストガードが支点となり、てこの原理で大きな力がかかってしまうことがあります。
それが原因で骨折した……という話もありますので、あえてリストガードは買わなくてもいいでしょう。
筆者は転倒して手をついたとき、腕時計が支点となって「折れたかな」と思ったことがあります。それ以来、時計をチプカシ(カシオの安くて軽い腕時計)に変えて、滑走時はポケットに入れていました。
お金をかけるならヘルメットを少しいいモノに
スノーボードのケガのうち、病院のお世話になるレベルのものは上半身に集中しています。
おしりは青あざになるくらいで、救急搬送される可能性は低いでしょう。
そこで、おしりパッドはそこそこの製品で問題ないものの、ヘルメットはしっかりした製品を選ぶほうが安心できます。
なかには「スノーボードにも自転車にも使えます」とうたっている商品がありますが、本来、自転車とスノーボードでは規格が違っています。
できれば、CE規格の中でもスキー・スノーボードに関する基準EN1077認証されている商品を選んでください。
CEのほかにも、SNELLなどいくつかの規格があります。
一例として、以下のモデルであれば、低価格ながらEN1077認証されています。しかも、あのバートンが作るanonブランドです。
安心のおすすめヘルメット
約1万円という値段が「ちょっと高いかな」と感じる場合は、自己責任にはなりますが、以下のヘルメットを候補にいれてもいいかもしれません。CE1078認証つきで2780円です。
ただし、スノーボード専用ではないため、ANONと比べると「耳が寒い」などの問題点はあるかもしれません。ケガ対策としては、ないよりもあったほうが安心できるレベルです。
また、プロテクターで守ることができない頸椎(首)については、転倒の方法をマスターすることでケガを予防できます。
以下の記事では、藤沼到プロが安全なこけ方を解説してくれています。ぜひ参照してみてください。
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スノーボードプロテクターに使われる素材の超基礎知識
最後に、スノーボードプロテクターのカタログや広告を見ていて「何それ?」となりがちな素材について調べてみました。
プロテクターに使われる素材
素材 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
硬質PE | ヒザパッドの外側によく使われる硬めの素材 | お手頃 |
EVAフォーム | -20度程度の低温でも硬化しない衝撃吸収素材 | お手頃 |
ゲル素材 | エラストマーなどでできた弾力性の高い衝撃吸収素材 | お手頃 |
D3O | イギリスで開発された次世代衝撃吸収素材 | 高価 |
XRD | アメリカで開発された次世衝撃吸収素材 | 高価 |
一般的なプロテクターで使われるのは、硬質PE、EVAフォーム、ゲル素材の3つです。硬質PEはスケートボードのヒザパッドによく使われているプラスチックの一種。
スノーボードのヒップパッドによく使われているのがEVAフォームです。EVAとはエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂のことで、ものすごく幅広い用途で緩衝材、衝撃吸収剤として利用されています。
ということはつまり、一般的で安い! という特徴があります。
基本的には「EVAで十分」だと思います。
衝撃の強さに応じて分子の結束が変化して堅さが変わる新素材のD3Oや、驚異的な衝撃吸収能力をもつとされるXRDなどを使ったプロテクターは、格安ウェアが一着買えてしまうほどの値段になりがちです。
スノーボードでゲレンデを普通に滑る分には、そこまで必要とは言い切れません。
本当に必要になるのは、ハーフパイプやキッカーに挑戦する時でしょう。
もちろん、余裕があれば高性能なものを買った方が安心です。
スノーボードプロテクターのおすすめ5選
ここまで見てきたように、スノーボード用プロテクターの中でもみんなが使うおしりパッド(ヒップパッド)は、そこまで超高級品を揃える必要はありません。
スノーボードのケガは、頭、肘、手首など上半身に集中しているからです。
そこで、とりあえずお尻から転んだときの痛みをやわらげてくれるEVA製のプロテクターを中心に、おすすめモデルをピックアップしました。
少し滑れるようになって「こんな滑りに挑戦したい!」というのが見えてきたら、その時は滑りのスタイルに適したプロテクターが見つかるはずです。
高いプロテクターはその時買えばいいかなと思います。
まとめ「3000円以内で買えるおすすめ商品1選」
ゲレンデでターンの練習をしているスノーボード初級者にとって、まず必要なプロテクターは「おしりパッド」でしょう。
この段階では、高価な商品は必要ありません。
D3Oなどの次世代衝撃吸収材を使用したプロテクターを買うなら、その予算でもう1回滑りに行った方が上達します。
安価で、しっかり衝撃を吸収してくれるEVAを使用したお手頃なプロテクターを選びましょう。
この商品なら、安くて十分な性能を備えています。