スノボの板選びには、ある程度決まった法則があります。
たとえば初心者なら、
- 柔らかい板を選ぶ
- エッジが引っかかりにくいロッカーボードを選ぶ
- 長さは身長マイナス15cmがめやす
この3点を押さえるだけで、失敗の確率が大きく下がるはずです。この記事ではまず、そういった点をしっかりと押さえた失敗のない初心者モデルと具体的な選び方を紹介します。
次に「少し滑れるようになったけど、どんな板を買えば上達できるかな」と考えている初中級レベルの方に、おすすめの板選びを解説していきます。
中級レベルになると「きれいにターンをしたい」「グラトリをしたい」といった、目的別のスノボ板選びが重要になってきます。
その点についても、がっちりと解説していきましょう。
この記事は雑誌「SnowBoarder」元編集長の立石が制作しました。
初めてのスノボ板選び
まず最初に、初めてスノボ板を選ぶ際のポイントを紹介します。ここで紹介する3つのポイントを押さえれば、初心者でも乗りやすい板を見つけることができます。
ざっくりとした予算感としては、今期の最新モデルで5万円くらいから、型落ちのモデルなら2万円前後から手に入れることができます。
ただし、型落ちモデルはシーズン前の10月から12月が購入のチャンスです。残念ながらそれ以降は、店頭から型落ちモデルがめっきり減ってしまいます。
コスパ重視の方はシーズン前に、お気に入りのスノボ板を探してみてください。
長さは身長マイナス15cmがひとつの基準
一般的に、スノボ板の長さは身長から15cm引いた長さが基準と言われています。
また、板と一緒に立ったときに自分のアゴから鼻の間くらいの長さがちょうどいいという人もいます。
こういった基準を参考に、長すぎたり、短すぎたりしない板を選んでください。板の長さは上達に影響する、かなり重要なポイントです。
スノボ板の長さ選びについては、次の記事で詳しく解説しています。板の長さに迷った時は、ぜひ参考にしてみてください。
初めての板は「柔らかいもの」がおすすめ
初心者には、柔らかいスノーボードがおすすめです。動画内で近藤勇次郎プロも教えてくれていますが、スノボを始める際は適切な長さで柔らかい板を選ぶことがポイントです。
上級者になってスピードを出す時には硬い板が向いていますが、ゆっくりしたスピードでターンや停止などの基本動作を練習するには、柔らかい板のほうが向いています。
初心者はまず、ゆっくりしたスピードで基本をマスターすることを目指しましょう。
写真のように板の中央を押して、いくつかの板の硬さを比較してみると、柔らかさや硬さの違いが分かります。この記事で紹介している初心者向けのおすすめの板は、すべて柔らかいモデルです。その中から選んでみるのもいいでしょう。
上から見た形は「ディレクショナルツイン」がおすすめ
スノボ板を選ぶ時は、真上と真横から見た形状に注意する必要があります。真上から見た形状は上の図のように、3つのパターンがあります。
ディレクショナルシェイプはスピードを出して滑るのに適しており、カービングターンなど滑りの技術を磨きたい人に向いています。
一方で、ハーフパイプやスノーパークでジャンプやトリックをする人は、前後対称なツインチップという形状を選ぶのが一般的です。
初心者の方や、これからいろいろなスタイルに挑戦したい人は、その中間といえるディレクショナルツインという形が最適です。
スノボ板の形状についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事を参照してください。
初心者にはディレクショナルツインをおすすめしますが、必ずしもベストというわけではありません。「将来こんな滑りがしたい」という目標があれば、ツインチップやディレクショナルシェイプを選んでください。
横から見た形は「ロッカー形状」がおすすめ
この図は、スノボ板を横から見た形状(ベンド)を示しています。昔はスキーと同様のキャンバーという形状が主流でしたが、今では逆エッジになりにくく滑りやすいロッカーやダブルロッカーが登場し、初中級者やグラトリが好きな人に人気があります。
キャンバー形状はターンの技術にこだわる上級者に好まれ、うまくなると扱いやすいというメリットもあります。
しかし、初心者から中級レベルまではロッカー形状の板を選ぶのがいいでしょう。
特に最近のロッカーボードはターンの性能も進化しており、何でもできるモデルが増えています。もちろん、逆エッジになりにくいので、初心者でも楽しく滑れるというのが最大のメリットです。
最初の一本にはロッカーボードを選んで、スノボの上達を実感してください。
中級レベルのスノボ板選びは「何がしたいか」で決める
初心者向けのスノーボードは、柔らかくて取り回しがしやすく、エッジが引っかかりにくいロッカーボードがおすすめでした。
しかし、中級以上になると、「こんな滑りがしたい」という目標が明確になってきます。そこで、中級者以上がステップアップを目指す際には、自分が目指す滑りのスタイルをふまえたスノボ板選びが必要になります。
スピードやカービングを追求したい人の板選び
スピードやカービングターンなど、スノーボードの基本技術をさらに磨きたい人には、柔らかすぎる板よりも少し硬めのモデルが向いています。
また、カービングターンをしっかりと行いたい場合には、板をたわませやすいキャンバーボードを選ぶのも一つの方法です。
このジャンルで有名な板としては、OGASAKA CTがあります。ただしCTは上級モデルのため、「もうちょっと上達しないと扱いにくいかな」と感じる人が多いかもしれません。しかし、スペックとしてはディレクショナルシェイプのキャンバーボードで、カービングに最適なボードです。
いつかは乗ってみたいCT
グラトリやジブでかっこよく滑りたい人向けの板
グラトリやジブを楽しむ際には、低速でスノーボードを操作しやすいことが条件になります。
そのため、グラトリ向けの板の特徴は初心者向けモデルと共通点が多く、板の柔らかさ(フレックス)は柔らかめを選ぶといいでしょう。柔らかい板は低速で技を行う際に動きやすく、取り回しもしやすいからです。
ただし、形状については、どちらかというとツインチップが適している場合が多いでしょう。
スノーボードで逆向きに滑ることをスイッチやフェイキーと呼びますが、スイッチランを多用したトリックを行いたい場合には、特にツインチップモデルの特性が有利にはたらきます。
ただし、この部分は好みによるところもあり、ディレクショナルツインの板を使う人もいます。
もし、現在使用している初心者向けのディレクショナルツインモデルでまだまだ使えるのであれば、しばらくそのまま使用してみるのもいいでしょう。
グラトリにおすすめの板は、どちらかというと国産中心になってしまうので、価格帯がやや高めの傾向があります。
人気の板でも型落ちなのでおとく
パークやハーフパイプでトリックを決めたい人向けの板
パークやハーフパイプでの滑りに挑戦したい人は、グラトリやジブとは違った観点で板を選ぶ必要があります。
パークとハーフパイプではやや違いがありますが、どちらもツインチップモデルを選ぶ人が多い傾向にあり、横から見た形状(ベンド)についてはロッカー形状やダブルロッカー形状の板を選ぶ人が多数派です。
ただし、硬さに関してはパークとハーフパイプで考え方が異なります。
ハーフパイプでは硬めの板を選ぶことが多く、これはハーフパイプ内でカービングする必要があるからです。
初心者がパークに入る時は、必ずしも硬い板を選ぶ必要はありません。しかし上級者になると、パークでも硬めの板を好む人が多い傾向があります。高速で大きなアイテムにアプローチする際や、大きなジャンプを行う際には、外力にしっかり耐えられる硬さが求められるためです。
スノーボードパークもOKな万能ボード
初中級向けおすすめスノボ板ランキング
ここではまず、初心者向けに「間違いのないテッパンおすすめモデル」を紹介します。次に、ステップアップを手助けしてくれる、初中級向けの板をピックアップしました。
ちなみに、初心者モデルといっても決して実力が低いわけではありません。実際には、中級レベルになっても十分使える板が多く、長く愛用できるおすすめモデルを集めています。
【初心者】失敗のないオールラウンドボード9選
この記事では、初心者向けのスノーボードを選ぶための3つのポイントを紹介しました。中でも以下の2つは重要です。
- 柔らかいボードであること
- エッジが引っかかりにくい設計であること
そこでこの章では、上記の条件を満たすボードをピックアップしました。選んで恥ずかしくないブランドという点にも注意して、おすすめモデルを選定しています。
タイミング的に旧モデル(2024年モデルなど)と最新モデルが混在しています。旧モデルはお得な傾向があります。
【初心者】おすすめのレディース板6選
スノーボードには、メンズとレディースの両方のサイズを用意しているモデルもありますし、レディースモデルとして女性専用のサイズで展開されている場合もあります。
そしてレディースモデルのメリットは、なんといってもグラフィックのよさです。
ここでは、厳選したレディースボードを紹介していきます。自分らしいデザインのボードが見つかると、よりスノーボードが楽しくなります。
【初中級】何でもできるフリーライドボードおすすめ4選
昔から、1本のボードで山のあらゆる地形を滑るスタイルは、スノーボーダーの間で尊敬を集めてきました。最近では、スノボの板も様々に進化を遂げ、様々な製品がラインナップされています。
それでも、1本の板でハーフパイプやパウダーにも対応できるオールラウンドボードは、ゲレンデで一目置かれる存在です。ここでは、さまざまな地形で活躍するフリーライドボードを紹介します。
【中級】グラトリ&ジブにおすすめの板5選
グラトリやジブに適した板と一口に言っても、実は多くのバリエーションがあります。
一般的には、柔らかくて取り回しがしやすいボードが適しているといわれていますが、人によってはノーズやテールの反発が強い、やや張りのあるボードを好む場合もあります。
しかし、ここではまずグラトリの基本をマスターしたいという初中級者向けに、扱いやすい柔らかめのモデルのみを厳選して紹介します。
【中級】ターンを極めるカービングボードおすすめ4選
カービングボードに求められるのは、しっかりと踏み込んだときに反発力があり、ターン中に安定した操作性を失わないことです。
また、ある程度しっかりしたフレックスがありながらも、スノーボーダーの操作に的確に反応する素直なボードが理想です。
ここでは、カービング向けのスノボ板を中心に、ターンしやすいモデルを厳選しました。
まとめ「板選びのコツとおすすめ格安スノボ板5選」
スノーボードの板選びには、いくつかの基本的なポイントがあります。中でも、この記事では以下のポイントを解説しました。
初心者向け
- 柔らかい板: コントロールがしやすく、基本動作の習得に最適です。
- ディレクショナルツイン形状: オールラウンドに楽しめる形状です。
- ロッカー形状: エッジが引っかかりにくく、安定感があります。
- 長さ: 身長マイナス15cmが目安です。
中級者向け
- 滑り方のスタイルに合わせて選ぶ: スピード重視、グラトリ、パークなど、自分のスタイルに合った板を選びましょう。
- 硬さ: スピードを出したい場合は硬め、グラトリやジブは柔らかめがおすすめです。
- 形状: カービングはディレクショナルのキャンバーボード、グラトリはロッカー形状のツインチップなど、形状も滑り方によって選びましょう。
以上をふまえて、おすすめのスノボ板ベスト5を紹介しましょう。
初中級おすすめスノボ板ランキング