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スノーボードでジグザグに滑る「木の葉落とし」は、1に目線、2に荷重でマスター!

「木の葉落としって何?」という人は下の動画を見てみてください。「知ってるよ!」という人はパスして続きへ

木の葉落としはサイドスリップを応用し、斜面をジグザグに滑り降りる技術です。

ターンはしませんが、

  1. 自分の意思で左右の進行方向を決められる
  2. ターンが怖い急斜面でも安全に下りることができる
  3. ターンを覚えるためのボードコントロールが身につく

など、さまざまなメリットがあります。

サイドスリップと同じく、ヒールエッジ側から練習する方が怖くないのでおすすめです。

斜滑降の3つのポイント
  1. 進みたい方の足に荷重
  2. 目線を進行方向に送る
  3. 進行方向に軽く体を開く(ローテーション

これで自然とボードが行きたい方向へ進み始めます。

木の葉落としを含めて、まったくの初心者が1日でターンするための記事は以下のリンクから読むことができます。

ヒールエッジ側の木の葉落としから練習しよう

サイドスリップでも同じですが、最初はヒールエッジの木の葉落としに挑戦した方がハードルが低く、とっつきやすいと思います。

フォールライン(谷側=スノーボードで進む方向)を向いていることと、エッジングをゆるめて板をずらす動作をしやすいことがその理由です。

もし「サイドスリップに自信がない」という場合は、以下の記事を参照してサイドスリップをマスターしておいてください。

稲川代表の解説を見てみよう

木の葉落としをスタートさせる3つの要素

上の動画で妙高山スノーボードスクールの稲川光伸代表も言うとおり、木の葉落としはサイドスリップで「ボードがずれる動き」を前提にしています。

スノボンヌ博士
スノボンヌ博士
ボードを斜面下へずらしながら、左右へ進む動きを加えます。

それを前提に、サイドスリップから木の葉落としに進化するための、3つの動きを解説しましょう。

ステップ1:体重移動

進行方向に荷重する
行きたい方の足に荷重します

ボードを斜面に対して真横にした状態で立ちます。次に……

  1. つま先を少し下げてかかとのエッジングを弱めます
  2. 同時に進みたい方へ体重を移動させます

サイドスリップの動き+体重移動をするのですが、この段階でボードが進んでくれることも多いと思います。

どれくらい体重移動をするのかについては、以下を意識してください。

斜滑降時のスタンス位置(図解)
スノーボード中の重心はだいたいこの範囲に

極端に体重移動をするのではなく、重心が両足の間にあるように意識してみてください。例外はありますが、スノーボードをしているときの重心は、だいたいこの範囲を出ないようにするのが正解です。

ステップ2:目線の先行

斜滑降で進む方向に目線を送る
目線は足下を見ず進行方向遠くへ

ステップ1の体重移動に加えて、目線を進行方向に送ります。顔を上げて行きたい方向(少し遠く)を見るようにすると、自然に体が進行方向を向きます。この時点でボードが行きたい方向に進んでくれるはずです。

もし「進まない…」と思ったら、少し下に掲載しているRumi's Adviceを見てみてください。

ステップ3:ローテーション

進行方向に向けて上半身をローテーションする

稲川代表もJSBAの教程本も、3つ目のステップとして体の回転=ローテーションをあげています。横ノリのスタンスから、少し体を正面に向けるようにします。

スノボンヌ博士
スノボンヌ博士
ローテーションは正直、しなくてもいいんじゃないかなぁ…と思います。詳しくは記事末尾で補足します。スノーボードオタクな人は読んでみてください。

ここまで挑戦してみて「うまく進まない!」というときは、次にあげるコツを参照してみてください。

スムーズに木の葉落としをマスターするコツ

なんとなくしっくりいかない、ボードが動いてくれないという場合は、以下のポイントを見なおしてください。

ローテーションしすぎに注意

スムーズに横滑りできない場合、目線の先行に加えて体が進行方向に開いている(ローテーションしすぎている)可能性があります。

スノボンヌ博士
スノボンヌ博士
JSBA的には多少のローテーションはよい、としています。しかし「過剰なローテーションや横方向への体の片寄りすぎは、ボードの方向性を悪くします」と指摘しています。

木の葉落としにおけるローテーションって、ちょっとややこしいんですよね。なので、ローテションしない! と決めてしまうのもひとつの手です。それでも十分ボード操作はできます。

腰が引けて進まないときは進行方向を指さす

腰が引けている悪い例
腰が引けてヒザが棒立ち状態

図のように腰が引けてしまうと、ボードがなかなか進んでくれません。そんな時は、進みたい方向の肩を少し下げてみてください。

それでもボードが進んでくれない場合は、進行方向の腕を上げて行きたい方向を指さしてみます。目線の先行をもう一度意識しながら指さし動作をすると、ボードが行きたい方へ動き出してくれます。

ヒールエッジ側で木の葉落としをするときは、後方(斜面上)が見えない点に注意してください。上から滑走してくるスノーボーダーやスキーヤーと衝突しないよう、十分気をつけましょう。

角付けを意識して逆エッジを防止

エッジでスピードを調節する(図解)

スノーボードでは、原則として斜面山側のエッジを雪面に立てた状態になっています(注1)。このようにエッジを立てることを角付けと呼びます。

ヒールエッジ側の木の葉落としでは、サイドスリップ同様にカカト側エッジの角付けの調節でスピードをコントロールします(上図)。

逆エッジ転倒を避けるためにも、角付けを意識して練習してみてください。

注1……直滑降時はどちらのエッジにもかかっていませんし、カービングターンの途中では逆に谷側のエッジに乗っている場合もあります。

木の葉落としから停止する

停止する時の荷重方法

木の葉落としから、以下の2ステップで停止することができます。

  1. 両足均等荷重に戻す
  2. 膝を曲げてエッジへの荷重を強める
  3. 山側エッジへの角付けを強める

両足均等荷重にしたら、あとはサイドスリップから停止するときと同じです。

体の重心(軸)がボードからはみ出さないように注意しながらヒザを曲げて、エッジの角付けを強めるように意識すると、うまく停止することができます。

トゥ側エッジでの木の葉落とし

トゥエッジの木の葉落としの姿勢

ヒールエッジ側の木の葉落としができたら、トゥエッジでも挑戦してみてください。

コツはヒールエッジでの木の葉落としと同じですが、進行方向に対して背中を向ける形になるため、肩越しに目線を進行方向に送るようにします。

以下、サイドスリップでマスターしたポイントをおさらいしておきましょう。

  1. エッジコントロールが難しいので拇指球を使うイメージで
  2. 逆エッジ転倒を避けるために、エッジコントロールはじわっと慎重に
  3. 胸をはり、リーンアウトを意識します

拇指球は親指の付け根部分。サイドスリップと同様に拇指球でしっかりエッジングしながら、かかとを少しずつ下げるようにして角付けをコントロールします。

慎重にエッジングして、逆エッジ転倒に気をつけてください。

サイドスリップ+進行方向荷重で左右に進む

サイドスリップのポイントをおさらいしたら、それに加えて進行方向に荷重していきます。ある程度荷重したところでボードが動き出すはずです。

また、肩越しに進行方向に目線を送ってください。その時、遠くを見るように意識しましょう。目線が足下に落ちてしまうと姿勢が崩れてボードが進んでくれません。

Rumi's Advice

木の葉落としの重心移動は、進みたい方向の手に「おもり」を持つイメージで。また、恐怖心で腰が引けてしまうとうまく左右に進めなくなるので、その「おもり」を進みたい方向にグッと差し出すようにして、肩や腰の位置を移動させてみましょう。

次のステップ「ドリフトターン」に続ける

JSBAの教程では、普通の木の葉落としができたら、次に山側に切れ上がる木の葉落としを練習します。雪面に弧を描き、ターンを作る前のステップです。

その後ノーズドロップといって、ボードを縦に落とす動きを練習し、徐々にターンへとつなげていきます。ドリフトターン(JSBAではスライドターンと呼んでいます)ができるようになったら、スノーボードがすごく楽しくなってきます。

スノーボードをはじめた人が1日でターンをマスターするには、以下の記事を読んでみてください。

【必ず滑れる!】スノボ初心者でも1日でターンできる超ていねいなコツ

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おまけ:木の葉落としとローテーションの関係

ここからはスノーボードオタクなあなたに贈る補足情報です。読んでもそんなにうまくなりません。ただ、木の葉落としをスクールで習うとき、あれれ? と思うかもしれない点について補足しておきます。

JSBAも稲川代表も、「木の葉落としの動きには体のローテーションが必要」と説明しています。この記事を書いている立石と元プロスノーボーダーの渡部ルミはいずれも「ローテーションいらんのじゃないの」派です。

では、どうしてJSBAは「木の葉落としではローテーションをしよう」というのでしょうか?

おそらく、木の葉落としの次のステップを見すえているからです。

ローテーションとスライドターン
スライドターン中の上体のローテーション

スライドターン(ドリフトターン)の時は上の写真のように上体を先行してローテーションしています。ローテーションした(ひねられた状態の)上半身に、下半身とボードがついて回ってくると、スライドターンができる……ということです。

ターンのマスターにつながる技術として木の葉落としを練習し、だからこそローテーションしておこう……という理屈ではないかと思います。

スノボンヌ博士
スノボンヌ博士
でもローテーションしなくても木の葉落としできちゃうよ。

木の葉落としでは、迷ったらローテーションしなくていいんじゃないかなぁ……と僕たちは思います。特にトゥサイドで木の葉落としをするときは、ローテーションを意識しすぎるとノーズドロップしてしまいます(ボードが谷を向きマジで滑走してしまう)。

ということで、「木の葉落としでも体のローテーションをしておこう」というのは「将来役に立つよ」というJSBA的な親心だと思うのですが、無理しない程度でいいんじゃないでしょうか。

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